09/ 03
名前の定義を使おう(Excel)
Excelには『名前の定義』という機能があり、セルや範囲、定数などに名前を付けることが出来ます。これによって数式がわかりやすくなり、ワークシート全体のメンテナンス性が格段によくなります。
Excelで数式を入力する場合、この図のように =C3*D3 なんてふうにセルの番地で数式を入れますよね。単純な数式ならば良いのですが、ちょっとややこしくなると間違えてしまう危険性も増えますし、メンテナンス性が悪くなります。
数年前に作ったシートとなると、もうどのセルがどこを参照して、どんな計算式だったのか見るのも大変です。
そこでセルや範囲に名前を付けて数式をわかりやすくして見ましょう。
数式を入れる欄(数式バーって言います)の左端にある四角い箱、これは『名前ボックス』といって、セルや選択範囲に名前を付けるためのものです。これを活用されている方は結構上級者さんですよね。
まずは名前を付けたい範囲を選択したら、おもむろにこの『名前ボックス』にその範囲の名前を入力します。名前は好きに付けてもらってかまいませんが、A1のようなセルの番地と間違えるような名前を付けることはできません。
今回はC3:C6に「単価」と付けました。同様にして、D3:D6に「数量」と付けます。
すると数式は『=単価*数量』となって大変わかりやすくなります。いかがですか?
今度はセルや選択範囲では無く定数(数値ですね)に名前を付けてみます。範囲では無いので選択はできません。リボンの『数式』タブにある『定義された名前』グループの『名前の定義』ボタンをクリックします。
『新しい名前』のダイアログボックス(小さな設定用のウインドウ)が開きますから、ここで名前の欄に『消費税』と入力し、さらに『参照範囲』には数字の『0.05』を入力します。範囲にでは無く、0.05という数値に消費税という名前が付きました。
数式は『=単価*数量*(1+消費税)』となります。わかりやすいですね。えっ?0.05が消費税なんて別にわかりにくくないですって。いやいやもう一つメリットがあります。
実は数式中の定数(この場合は消費税)が変更になったときに数式のあちこちを訂正するのはなかなか大変ですが、名前を定義してあれば、消費税と名前が付けられた定数の中身を0.05から0.08とかに変更すれば計算式は自動的に増税後に対応します。
別に消費税増税に賛成しているわけじゃないのですが、今から対応しておけば後で慌てませんよね。
定数の変更は、上のリボンの『数式』タブにある『定義された名前』グループの『名前の管理』ボタンをクリックします。【Ctrl】+【F3】でも呼び出すことができます。
『名前の管理』ダイアログボックスが開きますから、変更したい名前を選択して『編集』ボタンをクリックします。
名前そのものを変えることもできますし、消費税の税率のような定数を変えたり、参照する範囲を広げたりすることもここでできます。
名前の定義を使えば数式が読みやすくなる、定数が変更できる、などのメリットがありますが、さらに面白い機能があります。名前ボックスには定義された名前を選択する機能があります。名前ボックス右端の小さな下三角をクリックすると定義された名前の一覧が表示されるので、その中の名前を選択すると、たちどころにそのセルや選択範囲にジャンプしてくれます。大きな表を使っているときなんかはこの機能も意外と便利です。
名前の定義ってちょっと面倒な気もしますが、使いこなせばExcelでの生産性はグッと上がります。ぜひ活用してみてください。